無垢材のフローリングを体験!ショールームで質感の違いを見てきました
建築士は建物の設計をするのが仕事です。お客様が求めるものを探り出すのですが、フローリング材ひとつとってもどんな選択肢があって、どんな質感で、どんな価値があってということを言葉で説明するのは難しく、お客様にとってもたくさんの存在を知ることでご自身の好みが見えてくることもあります。
本日は施主である夫と一緒に、浜松市浜北区にある「株式会社マルホン」さんの本社ショールームにお邪魔して見学をさせていただきました。たくさんの木材を丁寧に説明していただきありがとうございました。
国内外の原産地と直結して本物の無垢材を取り扱う 木材のスペシャリスト・株式会社マルホン。 あえて構造材ではなく、触れる場所、見える場所で使う木材にこだわり、デザイン性と実用性を兼ね備えた木材を国内はもちろん世界30カ国から厳選。原産地との物流・情報の直結により、品質・価格全てに確かな木材だけを扱うことを可能にしました。多様なニーズに対応するために多彩な無垢材をラインナップしています。
さっそくショールームをご紹介します。
総面積600平米の広さを誇る木材総合型ショールームです。無垢材のフローリングが種類別にたくさん並べられています。遠目にみても色の違いを感じることができます。
それぞれ畳1枚分の大きさで床に並べてありますので実際部屋に張ったときの雰囲気が体感できるのがうれしいです。
靴を脱いでそれぞれのフローリングを歩いたり、座ったりします。
- 柔らかい ↔ 堅い
- 温かい ↔ 冷たい
- シンプル ↔ 装飾的
- 明るい ↔ 暗い
それぞれに様々な印象を感じます。比較することによって特徴がよりリアルに体感できます。
タモ(左)とスギ(右)です。スギは肌触りがとても柔らかいです。木目は大きく違いますが、どちらも日本的な印象を受けます。
日本代表のヒノキです。キメが細かく木目がソフトな感じです、スギよりも優しい印象を受けます。
アメリカンブラックチェリー(左)です、桜ですね。木目が控えめで色合いが上質な印象を受けました。
ウォールナットです。色合いも濃いですし重厚感があり硬質な感じを受けます。
ヨーロピアンウォークです、小さめの板を斜めに組み合わせる「ヘリンボーン」という手法で張られています。英国風の印象ですね。
オリーブです、あのオリーブオイルの木ですね。堅く緻密な木材です。油分を多く含むので艶やかな感じで上質感があります、価格も上級です。木目が個性的でとてもインパクトがあります。
ここまで、いくつか紹介してきましたがこれ以外にもたくさんあって、好みが大きく分かれるようです。材質も数種類の中から選ぶのではなく、実際に触れて・見て洋服を選ぶように好みのものを選ぶと楽しいと思います。
たとえば部屋ごとにフローリング材を替えることでその時の気分に応じて住宅から様々なインスピレーションを受けることができると思います。創造性やひらめきが必要な職業の方にはそういったことで、お仕事に良い影響を与えることができるかもしれませんね。
(追記)この見学のあと、無垢フローリングは「三陸赤松」を採用することになりました。
採用にあたって、全体のデザインや質感を考慮し決定しました。
詳しくは、「自宅と設計事務所 完成見学会 その1」にてご覧ください。
木材の実験コーナー
無垢材の質感だけでなく、機能性はどうなのか?様々な実験を行うことができます。
汚れ落ちチェックです。水・ソース・醤油を垂らして実験です。
右は 雑巾で拭きとっただけのもの
左は 雑巾で拭きとった後、紙やすりでちょっと擦り、オイルを塗ったもの
右の雑巾掛けだけでは「醤油」の跡が残っていますが、左のようにお手入れをすればほとんど目立たなくなります。
インクやマジック、クレヨンも上記のようなお手入れをすれば ”ほぼ”元通り ですね。
その他にも、キズの補修などとても面白かったです。
質感の差を確認
手摺です。手前の丸棒の手摺が一般的ですが、形状を工夫するだけで質感がガラッと変わります。
その他
板サンプルがストックされています。ここで気に入った材料を選んで、先ほどご紹介した実験コーナーで確認することができるんです。
大きな一枚板です。テーブルやカウンターとしてデザインすることもできます。
一番重い木(左)と一番軽い木(右)です。軽い木はまるで”スポンジ”のようです。
とても立派なテーブルです。このテーブルはなんと ”社員食堂用のテーブル” だそうです。
マルホン本社( 静岡県浜松市浜北区永島1295)はショールームと木材の倉庫になっています。外から見るとショールームには見えずわかりずらいのですが、予約制で見学が可能です。本日はありがとうございました。
夫は「オリーブ」を非常に気に入ったようです、、、。リビングの床が全面オリーブだとインパクトが強くてダイニングテーブルとの相性も考えないといけないですね。オリーブを全面に打ち出したイメージを提案するか、アクセントとしてオリーブを配置するという選択肢を提案しても良いのかなと思います。トータルコストを意識しながら実施可能でかつ満足していただける提案が必要です。
まりこ建築デザインとしても、設計検討依頼をいただけるお客様にお時間が許せばこのような形で計画段階からショールーム見学を提案しようと思います。私どもの一方的な提案ではなくお客様が「見て・触れて・感じた」中での好みやフィーリングを具体的な提案にしていきたいです。
(追記)この見学のあと、無垢フローリングは「三陸赤松」を採用することになりました。
採用にあたって、全体のデザインや質感を考慮し決定しました。
詳しくは、「自宅と設計事務所 完成見学会 その1」にてご覧ください。
中村まり子
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