2015-07-30

家づくりで悩む間取り、リビングは1階・2階どちらにする?

リビング1階

自宅の設計ですが、間取りがほぼ固まりました。今までに考えたプラン案は10を超え、書いては消し、書いては消しでしたがこの2案から最終案を選択する。というところまで来ましたので紹介したいと思います。

最終の2案はリビングが1階にある案とリビングが2階にある案です。2つを比較してみましょう。

 最終プランAリビング1階、寝室2階
 最終プランB 寝室1階、リビング2階

この2案ですが、一般的には上記のリビング1階、寝室2階というのが多いのではないでしょうか?

以前のブログで自宅の要望をざっくばらんに聞いてみました。少し引用します。

家族に自宅の要望について聞いてみました、おおよそこのようなものでした。

  • 中庭が欲しい
  • 今のマンション(70m²)が狭く、収納ができないので収納がほしい
  • 共働きだから家事を合理的にやりたい
  • 広すぎる家だと掃除とかが大変だから広すぎないようにしたい
  • 子供の成長に必要な場所が欲しい
  • 庭いじりとか草むしりがめんどくさいのであまりやりたくない
  • 家に帰ったときに落ち着ける場所が欲しい
  • 家の中では服装は適当でいたい
  • 風呂から庭が見えるとうれしい
  • 太陽光を載せて売電したい
  • 子供部屋は相部屋で良い、将来は出て行くわけだし
  • できれば和風というか日本的な感じが良い
  • 駐車場は2台、来客用にもう1台置ければベスト
  • どうせ建てるなら上質なものにしたい
  • 予算はまずは図面を描いてみて、その中で決めていきたい

間取りを見ながら解説したいと思います。

 

【最終プランA】リビング1階、寝室2階

 

<1階の図面>

リビング1階

赤色が設計事務所部分(事務所エリア)です。玄関は共用です。玄関入って右手が事務所・左手が住居です。

玄関の横にトイレがあります、1階のトイレは事務所と住居と共用しています。水回り設備の数を減らし「コストダウンを図りつつ、事務所エリアをなるべく有効に使いたい」と考えました。

  • 中庭が欲しい

という要望には、南側(上方向が南です)を建物で3方向から囲うことで視線をさえぎり、南側に目隠しをつくることで「敷地面積をなるべく犠牲にしないで中庭的な空間を作る」という方向にしました。

  • 今のマンション(70m²)が狭く、収納ができないので収納がほしい
  • 共働きだから家事を合理的にやりたい
  • 広すぎる家だと掃除とかが大変だから広すぎないようにしたい

リビングとダイニングをわけることで、リビングで「精神的に落ち着いてリラックスできる空間」をつくりました。中庭の景色を満喫できるという利点があります。

収納や生活の動線を考えて、着替え↔お風呂、洗濯↔干し、食事↔片付け、リビングでモノを使う↔片づける、といった流れを考えて「今のマンションライフの利点(狭い空間の有効活用)が活きる」ように考えました。

  • 子供の成長に必要な場所が欲しい
  • 庭いじりとか草むしりがめんどくさいのであまりやりたくない
  • 家に帰ったときに落ち着ける場所が欲しい
  • 家の中では服装は適当でいたい

 中庭が欲しいけど、庭いじりがめんどくさい。という矛盾については中庭部分をあまり大きくしないことで解決しました。

デッキで囲うことで狭いながらも上質な空間にしています。事務所エリアとのつながりが出るので、「別々の建物だけど一体感がある」ようにしました。

落ち着ける場所はリビングが一般的ですが、その時々の状況や気分によって変わるもの、、、。ということで、リビングの手前に書斎を設けています。プライベートエリアを確保することで、服装も気にせず過ごせるのではないでしょうか。

書斎↔リビング↔中庭 それぞれのエリアを気分に応じて過ごすことができるように工夫しました。

  • 風呂から庭が見えるとうれしい
  • 太陽光を載せて売電したい
  • 子供部屋は相部屋で良い、将来は出て行くわけだし
  • できれば和風というか日本的な感じが良い
  • 駐車場は2台、来客用にもう1台置ければベスト
  • どうせ建てるなら上質なものにしたい
  • 予算はまずは図面を描いてみて、その中で決めていきたい

浴室が中庭に面していますので、「お風呂に入りながら庭を眺める」ことができます。

太陽光については予算次第ですが「なくても問題ない設備ナンバー1」ですので、基本なしの方向で考えます。

駐車場は事務所の前に1台、南東(図面左上)に1台の「合計2台」としています。

<2階の図面>

 寝室2階

子供部屋は2階に寝室として設置しました。学習室とは分けてあります。

2階には寝室を持ってきました。「1階でアクティブに過ごして2階で寝る」というライフスタイルです。

就寝中は1階に誰もいない状態になります。防犯上の視点で見ると少し心配な感じを受けました。

 

【最終プランB】寝室1階、リビング2階

 

<1階の図面>

 寝室1階

 ここまで検討したところで、1階と2階の機能を入れ替えてみました。

1階のリビングが寝室となっています。1階に余裕が生まれたので家事の中で大変な作業である「洗濯干し」を室内干し、屋外干しができるようにエリアをつくりました。

洗濯物はお風呂・就寝が発生点になりますので、そこを中心として「着替え↔洗濯↔洗濯干し」がスムーズにできます。洗濯干し後の収納でたたまずに済むように着替えエリアを作りました。

建物の外観を考慮し、エアコン室外機やエコキュートなどの「設備機器を目隠しエリアに設置することで見た目をスッキリ」させつつ、浴室の隣を塀で囲うことでミニ庭を作りました。

<2階の図面>

 リビング2階

2階は眺めが良く日光を取りこめるのでリビング、ダイニング、キッチン、学習室を配置しました。

キッチン以外は収納の高さを低くすることで、広がり感を出して狭く感じないように工夫しています。工事費を抑える上で延床面積を減らすことが有効なので、少しスッキリさせました。

「2階でアクティブに過ごして1階で寝る」というライフスタイルです。

最初の案とは逆になりますが、どちらかといえば家族のプライバシー確保の観点では2階をアクティブにした方が良いのかなと思いました。

防犯上も1階(中庭エリア付近)に就寝中は人がいることでメリットがあると思います。

1階から2階にいくのがなんとなくワクワク感があり、気にいっています。

(追記)この検討のあと、「2階リビング」を採用することになりました。
採用にあたって、周辺環境や2階のプライバシーを優先しました。

詳しくは、「自宅と設計事務所 完成見学会 その3」にてご覧ください。

 

まとめ(リビングは1階、2階どちらにする?)

 

 最終プランAリビング1階、寝室2階
 最終プランB 寝室1階、リビング2階

 

 という2つの案に絞られました。どちらの案も熟慮を重ねここまでになるまでに何度も打ち合わせを行いましたので、意見を聞いて最終案を決定したいと思います。

リビングはどちらが正解かは答えはありません。どちらもメリットがあるので、ライフスタイルを理解してしっかり考えられたプランであれば、最後はフィーリングで決めればよいと思います。

 

壁1

立体になるとどうなるか、柱を建ててみましたが、中が見えませんね、、、。

(追記)この検討のあと、「2階リビング」を採用することになりました。
採用にあたって、周辺環境や2階のプライバシーを優先しました。

詳しくは、「自宅と設計事務所 完成見学会 その3」にてご覧ください。


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中村まり子

代表取締役/一級建築士まりこ建築デザイン株式会社
一級建築士。浜松市内の建築設計事務所、浜松日建工科専門学校教員を経て、2015年4月に「まりこ建築デザイン株式会社」を設立。充実した人生(Quality of Life)を過ごしてもらえる建物を提案したいという想いで設計業務を行っています。プライベートでは2児の母、趣味はクラリネット演奏。
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