建築設計プレゼンテーション その1(プランニングテーマ)
設計プレゼンテーションとは
弊社では最初の相談窓口として、設計プレゼンテーション(初期プレゼンテーション)をお客様に提案しています。
初期プレゼンテーションとは、お客様の要望を聞いて「このような建物はいかがでしょうか?」と提案するものです。
今回はストーリー仕立てで「浜松さん家族」の家づくりを疑似体験しながらお話をしたいと思います。
お客様(浜松太郎さん(仮名))プロフィール
<浜松さん一家の家族構成> 4人家族
浜松太郎 さん (37歳) 自営業
浜松ゆうこ さん (38歳) 会社員
浜松花子 ちゃん (6歳) 小学1年生
浜松雄一 くん (3歳) 保育園児
<浜松さんが設計事務所に設計をお願いしようと思った背景>
浜松太郎さんは自営業で営業のお仕事をしています。打ち合わせを行ったりプレゼンを行ったりする関係で自宅兼事務所を持ちたいなと考えていました。
浜松ゆうこさんは家事に育児にお仕事と大変な毎日を過ごしていました。部屋が狭いという物理的な問題を抱えていましたが、そういった面を改善したいなと考えていました。
「そろそろ今よりも広い家が欲しいな」というのが夫婦共通した意見でした。
立地のいい土地が見つかったので購入し、建物の計画を検討し始めました。
設計事務所では事務所併用住宅という形を上手に考えてくれるのではないかと考え、さまざまな要望を伝えて設計提案を依頼しました。
プレゼンテーションスタート
およそ1か月後プレゼン資料がまとまったので、事務所に家族で来ていただき初期プレゼンテーションを聞いていただくことになりました。ここよりプレゼンテーションがスタートします
プランニングテーマ
最初にプラン全体像のお話をしたいと思います。先日伺った浜松太郎様の要望を整理しました。
抽象的な要望こそ、解決したくても解決できないモヤモヤした部分だと思います。これを専門家がやり取りの中でひも解いていくことで解決策を考えていきたいと思います。
限られたスペースですので有効に活用したいと思い、暮らしのシーンに合わせて役割と変化のある空間をつくろうと考えました。
忍者屋敷じゃなけど、同じ空間でも別の空間を作ることができます。
(例)温泉旅館の客室 ・・・ 座卓を出せば食堂、布団を敷けば寝室収納の確保も大事ですが片付けなくてもよい部分とわけることで、無理をしなくてもきれいな状態を維持できるように考えました。
人間はただ生きるのではなく、文化的な活動をするようになってから出てきた要素として「にぎやかな行為」「静かな行為」があります。それぞれの要素をまとめてみました。
「静かな行為」は大人の人がくつろぐ場所で、今と昔ではくつろぎ方も変わってきましたね。
昔 : プロ野球中継を見ながら枝豆とビール。今 : ネット閲覧でテレビを見る時間が減っている。テレビ番組も議論して意見を言い合うものが多い。
「機能的な行為」は毎日の生活リズムに密接に関わっています。
別々なことをしていてもお互いの気配を感じることができるようなライフスタイルが良いのではないかと思います。
それぞれの要素の距離感を考えてみました。近い方が良い要素、離れていても問題ない要素を表すとこのようになると考えました。
Lifeは生活という意味ですが、もう少し踏み込んで人生も考えました。新しい住居は今よりも質が向上する建物を提案したいと思います。
要望を整理してプランニングテーマをこのようにまとめてみました。このテーマをもとに実際に建物を設計していきます。
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本日はここまでです。次回のプレゼンに続きます。
中村まり子
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