木材加工見学・工務店(有限会社 番匠)紹介
設計図面が完成し、無事着工となりました。天竜杉を使った無垢の構造材を使って現在加工中です。加工と打ち合わせの様子をご紹介したいと思います。
今回、建設工事をお願いしました 有限会社 番匠 です。実は設計の段階で、番匠さんで詳細の打ち合わせ等を行いながら設計を行いました。たくさんのことを教えていただきありがとうございました。
有限会社 番匠 は天竜杉をはじめ、地元の木を使い建設を行う工務店です。機械加工のプレカットを使わず、木材を大工さんの手により「手刻み」で加工を行っています。
今回の自邸も手刻みの途中ということで、見学させていただきました。
加工場に入らせていただきました。この中で手刻みによる作業がちょうど行われていました。
建物の中は天井に光を取り入れる天窓があり、全体が明るい雰囲気で気持ちよいです。
こちらが、現在加工中の構造材になります。前回ご紹介した天竜杉の加工工場より入ってきました。木材の自然のサイクルの中にあるということが良くわかります。2階建ての自宅部分に使用する構造材になります。
「墨付け」と加工の様子がよくわかります。
手仕上げとはまさにこの事だと思います。寸法通り加工するだけでなく、接合する部分を「合わせ」ていきます。
図面は私が作図したものですが、大工さんの手で図面から情報を読み取って、加工していきます。木は一つして同じものがありませんから、クロス等で見えない部分に使う木・表に見えてくる部分に使う木など、入荷した木材をどのように使うかも大工さんの腕の見せ所になります。
こちらは加工前の木材です。事務所部分に使用します。
樹齢は70〜80年のものだそうです。年輪を数えてみましたが、30年分の年輪まで見えました。
上棟に向けて毎日作業をして頂いており、ありがたく思いました。
屋根の色と外壁の色を決めるためにサンプルでチェックしました。候補は2つあり、左側の組み合わせと右側の組み合わせです。
全体のイメージと相性も見比べながら相談して決めました。右側の組み合わせで、屋根は茶色・外壁は茶色っぽい白色に決定しました。
白っぽくなりすぎず、また茶色っぽい感じになりすぎず、明るい感じもありつつで良いと感じました。
これに手摺りの材質との相性を確認します。あまり赤っぽい材料と組み合わせると良くないと思いましたので、明るい印象の「スプールス」と、
少し重厚な感じの「オリーブ」で見比べてみました。「スプールス」は全体がライトな印象で、「オリーブ」(オリーブオイルで有名なオリーブの木です)は、全体がグッと引き締まる感じを受けました。どちらが正しい・正しくないのではなく、フィーリングと建物全体のバランス・周りの建物との景観も考慮します。
「チーク」にすると赤い印象を受けます。全体のバランスから考えても、少しイメージと違うかなと思い、「チーク」は却下しました。
番匠さんの設計室です。こちらで打ち合わせを行いました。上棟の日程や全体スケジュール等の詳細を打合せしていきます。設計中の冬場に何度もお邪魔させていただきましたが、煙突の下にあるストーブが温かく、ぽかぽか気持ち良かったのも思い出されます。
夕方になり、先ほど決めた屋根の色・外壁の色・手摺りの色の組み合わせを確認しました。日が落ちてきて全体に赤っぽく色が変わります。つまり、日中と夕方で外観のイメージが変わります。「オリーブ」が少し赤くなったように見えます。 ・・・もし赤い色の材木を選定したらもっと赤く見えていたと思います。
今後の課題として、樹脂サッシ・アルミサッシの枠色を決める作業が宿題として残りました。サイズと型番は事前に決めてありますが、枠の色は変更可能です。シルバー系にするか茶色系・黒系にするか、もう少し時間を掛けて検討したいと思います。
本日は屋根の色・外壁の色・手摺りの色が決まりましたので、相性をイメージしながら決めていけば良いと思います。
冬場は廃材を使って暖を取ります、自然と共生しながらも快適な建物でした。ありがとうございました。
中村まり子
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